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シネマ牧場

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2010年 06月 06日

春との旅

公開を楽しみにしていた「春との旅」を観てきました。
静かな映画だし、あんまり宣伝もされていないので
作品のことを知っている人も少ないかもしれないですね。

私はこの作品に出演している人たちの名前を
観ただけで、「絶対観に行こう」って決めました。
実力派が終結してましたから。
「カガテル」を筆頭に(笑)・・・・・・。

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© 2010『春との旅』フィルムパートナーズ/ラテルナ/モンキータウンプロダクション

舞台は北海道。
仲代達矢が演じる、元漁師・忠男。
そして孫娘・春。

2人は静かに海辺の家で暮らしている。

春の両親は春が幼いころに離婚をし、
父は家を出て、春にとって母親である忠男の娘は
自ら命を落とす。

両親を失った春と、妻と娘に先立たれ忠男に
ある問題が生じる。

家計を担っていた春の勤務先である学校が廃校と
なってしまったのである。

町には就職先は乏しく、都会へ出ようと考えるが
身体の不自由な忠男を1人にはできないと、頭を抱える春。
そこで忠男に提案するのである。
忠男の3人の姉兄弟に受け入れてもらえるよう
訪ね歩こうと。

長年疎遠になっていた姉兄弟は忠男を受け入れて
くれるのだろうか・・・?

始めは、忠男の受け入れ先を探す目的としている旅に
現代の問題がいろいろ重ね合わせられていて
自分や親と重ね合わせて胸が締め付けられてしまった。
でも段々にそこへ温かなお湯が流れてきた。

1つの「家族」が年月を経て
それぞれの「人生」を歩み始めた時、
いつでも誰もが「家族」を顧みることのできる余裕をもてるように
生きて欲しいって願いたいけど
それはその「人生」にどんな石ころとかが転がっているかも
しれないから。
そして、それぞれの「人生」はその人のものだから、何も言えないや。

血のつながりは奥深いから、悩ましい。

忠男を演じた、仲代達矢。
春を演じた、徳永えり。
そして姉兄弟を演じた俳優さんたち。
脇役を演じた大物さんたち。

飾らず、目立つことなく。
だから際立つ。

「映画」らしい「映画」。
スクリーンで観るべき「邦画」でした。







by ticketport | 2010-06-06 21:54 | 感動


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